教育熱心な家庭は自分が思うより少ないのかもしれない 日本語学習狂騒曲

海外で子育てをしていると、子供が小さい間は日本人の親御さんと知り合う機会が多かったです。当地では国際結婚で移住した日本人女性が多く、日本人家族の駐在家庭は少数派です。日本人が寄り集まると、勉強のこと、特に子供の日本語教育が話題に登ることが多いです。算数の話題も多いです。

日本語に触れる機会が少ないので、早くから日本語を覚えさせたほうが良い、と考える親御さんが多く、日本語補校の幼稚園部では、3歳4歳の子供に平仮名を教えています。この光景にびっくり仰天しました。

私は、自分の子供も4歳頃で、当時子供は鉛筆を持つのもやっとで、とても字が描けるような状態ではなかったからです。字を教えようなど思ったこともなかったです。小学校に入ってからで十分と思っていました。

しかし、周りのお母さん達はとても熱心でした。小さな子供に、こんこんと字を教え続けます。この熱心さは私にとっては非効率とさえ思え、この集まりにはすぐに顔を出さなくなりました。

その後、子供が小学校に上がり、自宅で日本語の勉強を進めました。字の練習をしたり、日本から本を取り寄せたりして読書を習慣化させ、読書好きな子供になりました。作文も通信でやりました。

算数についても、当地は進みがとても遅いので、いつ日本に戻っても大丈夫なように自宅で学習させていました。さまざまな通信教育を取り寄せてみたり、日本のアマゾンで問題集を買ってみたり、当地でも公文がありますからやらせてみたり、かなり試行錯誤しました。

小学2年生の終わり頃、たまたまどんぐり倶楽部を知ることになり、家庭教育の主軸に据えました。この頃まで毎日毎日、子供の教育について考えをめぐらせたり、調べたり、試したりしていました。

まとまりの悪い、長大な過去ログを読んで勉強したり、どんぐり問題をやらせるためのお作法を勉強したりと、今までの記事で何度も書いてきたように、習い事や作文をしてはいけないとか、どんぐり以外はダメというような宗教っぽいところには相当の反発を感じながらも、また、どんぐり倶楽部が理想とする母親像から遠くかけ離れた状態ではありましたが、6年生までには問題を終わらせました。

このように、子供の日本語と算数には、私もかなりの時間とお金も費やして試行錯誤し、多大なエネルギーを持って習慣化させてきました。親の負担が大きく、本当に大変でした。

それでも、日本の教育熱心な家庭に比べれば、熱心ではないと思います。子供の勉強時間も、日本の小学生に比べれば少ないものでした。中学受験をしている日本のお母さんに比べれば、私の労力なんて大したことないと思います。

日本語補校に通わなくても大丈夫なのか?と、我が家はずっと心配されながら我が家の子供は中学生になりました。

子供の日本語教育のことは日本人が集まれば話題になっていたので、我が家が何をしているのかについて聞かれれば答えていました。日本から本を取り寄せて読書していること、算数では九九を日本語で覚えたこと、漢字練習に使っているドリルや参考書、どんぐり問題も紹介しました。

しかし、熱心に聞いてくる割には、子供の教育に取り入れてみたり、ましてや継続している家庭はないようでした。子供の同級生たちは熱心に日本語補校に通い続けていましたが、中学生の今、できる子で小学4年生の実力止まりとなりました。親に話しかけられても、答えるのは現地語になってしまいました。

意外なことに、今ではたくさんの広告を打っている「スタディサプリ」も、私の周囲の日本人のお母さん方は全くご存知ありませんでした。日本語をどうやって勉強させようか、算数はどうしようか、と考えて検索したら何度でもヒットします。

何が言いたいのかというと、自分が想像していたほど、教育熱心な家庭は少なかったのかもしれないと思ったということです。子供が4歳の頃に、鉛筆もろくに持てない幼い子供に渾々と平仮名を教え込んでいた日本人親たちの熱心な様子、子供の日本語教育をいつも心配している親御さんの多さ、毎年夏には子供を日本の学校に通わせるために長期間日本に滞在する家庭、子供の日本語の出来具合で争う親御さんたち。。。こういう状況から、海外で子育てする日本人は教育熱心な方がとても多いのだと驚いたものでした。

もちろん、両親ともに日本人か、片親が外国人かといった家庭環境の差による日本語環境の差はありますし、各家庭それぞれに教育方針があって、優先事項が違っていて、それぞれ違っていてそれでいいのです。他人がとやかくいう必要はありません。

しかし、子供が中学になってみて振り返ると、あれだけ大騒ぎしても現地語になっちゃう?算数も現地校にお任せ?と思ってしまいました。

念のため断っておきますが、うちの子供の能力が高くて、よそのお宅のお子さんの出来が悪いと言っているのではありません。親御さんはあれだけ熱心だったのに、作文でもどんぐり倶楽部でもスタディサプリでもなんでも良いですが、家庭教育では効果ありそうなことを継続させてきた家庭がなさそうなこと、子供が親に日本語で話しかけられても現地語で答えてしまうようになったことに驚いているのです。

もう一度断っておきますが、私は他の親御さんよりもよくやった、と言いたいわけではありません。自分が想像したよりも、教育熱心な家庭は少なかった。教育熱心な家庭が多いとびびる必要はなかった。ただ心配で騒いでいただけだったのかも、相談されてもそんなに心配することなかった、と肩透かしを食らったような気分がしているというだけです。

なんなら、自分があれこれ取り寄せてみたり、試してみたりしたことを聞かれたときに話してしまったので、逆に我が家は教育熱心と思われてしまったかもしれません。

日本語補校に行かないなら漢字を覚えられないのではないか!?とか言われてドキドキしたこともありましたが、周囲の言葉に動揺することなくマイペースでいれば、もっと穏やかに暮らせたのに、とも思いました。

子供が中学に上がると、日本人親同士が集まっても子供の日本語運用能力の話は自然としなくなりました。だから、日本人が集まる場では今の方が楽です。

日本語教育。子供が小さいうちの狂騒曲のようでした。どんぐり問題を解くことは、日本語で深く思考する機会となりました。

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この記事を書いた人

西欧で「どんぐり問題」を子供にさせていました

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